処方箋から在宅療養まで、対応範囲の広さ
山善薬局が担う業務は、処方箋に基づく調剤にとどまらない。服薬指導では薬の飲み方や副作用について丁寧に説明し、患者が安心して治療を続けられるよう支援している。在宅で療養する方への居宅療養管理指導にも対応しており、薬剤師が生活の場に近いところで医療を支える役割を果たしている。処方箋なしで訪れる方の健康相談や一般用医薬品の購入にも対応するため、薬局が生活の中の健康窓口として機能している。
「調剤だけでなく、気になることを何でも話せる雰囲気がある」という利用者の声が、山善薬局の対応スタイルを表している。地域の一人ひとりが健やかに過ごすために何ができるかを考え続けてきた、100年以上の姿勢がそこに表れている。
明治創業の薬局が選ぶ、設備投資という判断
明治43年創業という歴史を持ちながら、自動分包機など調剤現場への設備導入を積極的に進めてきた。この判断の背景には、精度と効率を上げることで、スタッフが患者と向き合う時間を確保したいという考えがある。新しい技術を取り入れることへの姿勢は、「伝統を守りながら時代の変化を恐れない」という薬局のビジョンにそのまま重なる。古い歴史を持つ薬局がこのような方向を選んでいる点は、個人的にも印象深かった。
設備更新は業務の効率化だけでなく、スタッフの作業負担を軽減する効果もある。有給休暇の取得推奨や休憩室の整備とあわせ、働く環境への継続的な投資が行われており、その結果として安定した地域医療が維持されている。
津島市内に広がる3店舗のネットワーク
寿町の本店は津島駅から車で約4分の立地にあり、新開店・中地店と合わせて市内3か所に拠点を持つ。新開店は夜19時30分まで受け付ける2部制、中地店は平日19時まで通しで営業する形態を採用している。それぞれの店舗が周辺地域の生活リズムに合わせた時間設定を持っており、仕事後に立ち寄りやすいという声もある。日曜・祝日以外は毎日営業しており、地域住民が日常的に利用できる体制が整えられている。
各店舗では薬剤師と事務スタッフが連携しながら業務を進めており、職種間のコミュニケーションが活発なことが現場の雰囲気づくりにも寄与している。3拠点体制により、特定エリアに偏ることなく津島市全体をカバーする調剤ネットワークが形成されている。
人柄採用と現場育成で築くチームの土台
求人では資格や経験よりも人柄を優先し、コミュニケーションを取れる人材を広く迎えている。ブランクのある薬剤師や調剤事務が未経験の方でも応募できる間口の広さがあり、入社後は先輩スタッフからのノウハウ共有を通じて実力を積み上げていける環境だ。週2回の半日休みと週1回の全日休みを組み合わせた勤務体制は、無理なく長く働くことを念頭に設計されている。採用・育成への継続的な取り組みが、100年以上にわたる安定した薬局運営の土台を形成している。
現場では薬剤師と事務スタッフの垣根が低く、相互に助け合いながら動く雰囲気があると聞く。「職種に関係なく声をかけやすい」という現場の声は、職場環境の実態を示している。


